カテゴリー別アーカイブ: 設計

建築物の耐震 その1

東南海のプレートに起因するものや、首都東京の沿岸の直下で起こるものなど、いくつかの地震が予想されています。地震の発生を予測することは、多くの科学者たち のみならず、僕たちの夢ですが、高い確率でそれを予測する技術や方法は、未だ手の届かないところにあると言えるでしょう。

地震は避けられないが、震災は避けられる」

かつて関東大震災の発生を予言した今村明恒教授のコトバは、現代の過密化した都市にこそ、力をもって訴えかけます。

地震が起こった時のことをイメージしてみて、自分の家や会社や街が、どうなるのか?そうなった時に、自分の手の中にあるべきものは何なのでしょう。

国や地方自治体は、もちろん建物の耐震化に総力をあげています。

・もしも大きな地震が起こって、沢山の人が止むなく家々を捨て、避難することになった時に、しっかりと受け止めることができて安心できる寝床を提供できるような堅強な建物は、わが街に有るのか?

・沢山の人たちが一時に集まっている、病院や学校や映画館などで、もしも地震が起きたらどうなるのか?

こういう大きな課題には、これまでも積極的に対応されていて、例えば小中高校では、公立校の約85%、私立校の約80%の校舎が、耐震化(耐震改修工事などの結果)を完了しているという状況です。;H25.4月調べ

いわゆる新耐震以前(昭和56年以前)に建設された校舎が、全体数のおよぞ4割程度を占めていることを思えば、ここまで耐震化が進んでいることは、”大変良く出来ました”と言ってもいいくらいかも知れません。

むろん、更なる耐震化を声高に叫ぶ必要はあります。

一方、民間の建物については、国や行政が直接に関わることは出来ませんが、病院などの特定の用途で一定規模以上の床面積をもった建物は、法律で耐震化を進めるように義務付けされました。建物の所有者さんにとっては、大きな負担になることですが、多くの方々のかけがえのない命を預かっているということですから、積極的に改修をお願いしたいものですね。

それらの公共性の高い建物に比べると、一般の戸建て住宅などは、耐震上の問題を抱えるものが少なくありません。また、それらの危うい住宅が、隣り合い、寄り添って出来上がっている街は、個々の住宅の危うさの「足し算」ではなく「掛け算」で、地震が起こった時の「危なさ」がやってくると考えた方が良いでしょう。

・天井まで一杯に積み上がった本の山を、横にみながら寝ている私の毎日は?

・大地震の時には持ちこたえてくれたけれども、あれから15年経って家も少々くたびれてきた?

・我が家から、広域避難場所までのルートは、地震の後も安全に逃げられる本当のルートなのか?

まっさらな目で、改めてご自身の生活やご自宅の姿を捉えてみる。

まずは、自らが罹災者にならないこと、加えて、家族や隣人をそうさせないこと。これは簡単なことではありませんが、今できることを重ねていって、少しでもその地点に近づけていくことが肝要です。

広告